上野の森美術館のモネ展!モネ「連作の情景」はどんな展示?

上野の森美術館でモネ100%の展示が開催!

展示内容、モネの絵、連作とは何なのか、かんたんに解説します!

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モネの絵はどんな絵?

クロード・モネの作品を自然の光と色を瞬間的に捉えた、柔らかな色調と鮮やかな光が描かれているのが特徴です。彼は戸外で絵を描き、物の本来の色ではなく、光とその影響をキャンバスに捉え、即座に筆で表現しました。その結果、明るい色彩と素早いタッチによる臨場感のある作品の数々が生まれたのです。

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『国会議事堂、バラ色のシンフォニー』1900年(モネ 連作の情景展の展示作品)

特に連作時代には物の形ではなく、光と色彩を捉えて風景の変化を瞬間的に描きだしました。鋭敏な観察力と感性で風景を描きだしたモネは印象派の代表的な画家とされています。


モネはどんな人?

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『ヴェトゥイユの春』1880年 (モネ 連作の情景展の展示作品) 画像引用元: monet2023.jp

印象派の代表的な画家、クロード・モネはパリで生まれ、少年時代はル・アーヴルで過ごしました。彼は風景画家ブーダンの助言で、18歳で戸外で絵を描くことを始めました。パリで絵画を学んだ頃、画塾でモネはルノワールなどの仲間と出会います。1865年にサロンに初めて入選した際は尊敬していたマネに「水のラファエロ」と呼ばれます。しかしその後はサロンへの入選もなく、経済的に苦しい時期を過ごしました。

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『ベレー帽をかぶった自画像』1886年 画像引用元: https://commons.m.wikimedia.org

普仏戦争の際には家族とともにイギリスやオランダに避難。

苦しい時期を経て、1874年、ついに仲間とともに第1回印象派展を開催しました。その後、モネは国内外を旅して風景画を多く描き、1883年にはジヴェルニーに定住しました。彼は1926年に86歳で亡くなり、印象派の先駆者としての名声を築きました。

 

モネの連作とは?

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『チャリング・クロス橋、テムズ川』 (今回の展示作品)

「連作」とは、同じ場所やテーマに着目して、異なる天候、時間、季節などでその一瞬の様子や風景を繰り返し描く絵画のスタイルです。モネはこの方法をつかって風景や光の変化を捉え、その瞬間をカンヴァスに記録しました。これによって、彼は自然の美しさや光の効果を探求し、絵画に独自の芸術的スタイルをもたらしました。

モネは1880年代後半から、自宅周辺の風景を繰り返し描いたり、旅行先での風景を記録する「連作」という絵画スタイルを始めました。彼の作品は非常に人気があり、1891年には15点の「積みわら」の連作を展示し、フランス内外で名声を得ました。

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『ウォータールー橋、ロンドン、夕暮れ』1904年 (モネ 連作の情景展の展示作品)

その後も〈ポプラ並木〉〈ルーアン大聖堂〉〈セーヌ川の朝〉など様々なテーマに取り組み、特に「睡蓮」の絵画が有名です。

晩年には「睡蓮」を中心に制作し、視力が衰えながらも86歳で亡くなるまで絵を描き続けました (1926年没)。

彼の後半生の作品は、カンディンスキーや抽象表現主義の画家たちに大きな影響を与え、芸術の転換点を生み出しました。


どんな展示?展示作品は?

この展示は国内外の博物館からモネの名作を厳選し、いかにして「連作」が生み出されたのか目の当たりにできる展覧会です。「連作」が集まる本展は同じ風景でも時間と光の変化によって一変させるモネの感性に触れるには絶好の機会です。

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『睡蓮の池』(モネ 連作の情景展の展示作品)

くわえて、連作だけでなく、印象派としての活動以前の作品も展示されます。特に大画面の人物画《昼食》は本展が日本初公開となるので必見!連作が描かれるまでの過程を作品とともに辿れます。

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『昼食』(モネ 連作の情景展の展示作品) 画像引用元: monet2023.jp

合計60点程が集まるこの展示、作品の貸出元は40館以上、そのうち30館以上が海外ですから本来は一生かかっても見られない作品ばかりです。

 

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展示室の最初にはモネの池を歩けるプロジェクションマッピングもあります。

歩くたびに水が波打ち、水の音が広がる様子が綺麗でした。

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第1回印象派展が開かれた1874年から150年を記念する本展は東京と大阪で開催されます。印象派を代表するモネが見た景色をお見逃しなく!

注意: 東京と大阪で出品作品は一部異なるそうです。

 

開催概要

期間:

2023年10月20日(金)~2024年1月28日(日)

場所:上野の森美術館 (東京都台東区上野公園 1-2)

開館時間:

9:00~17:00(金・土・祝日は~19:00)

※閉館の30分前まで入館可

休館日:

12月31日、1月1日

観覧料:

一般 2,800円(3,000円)

大・専・高校生 1,600円(1,800円)

中・小学生 1,000円(1,200円)

※( )は土・日・祝日料金。

オンラインチケット予約はこちら

https://www.monet2023.jp/ticket/

 

上野の森美術館の交通アクセス、行き方

JR・京成線 上野駅から徒歩2分

日比谷線 上野駅から徒歩1分
東西めぐりんバス 京成上野駅から徒歩3分