北岡明佳の錯視アートたちー蛇の回転はどうして生まれたのか

 

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北岡明佳 ローラー

 

静止画のはずなのに動いて見える!

この魔法のような模様が不思議でワクワクしますよね。

 

この錯覚の生み親、北岡明佳(きたおか あきよし)氏生理学、神経科学を学び、現在は立命館大学文学部心理学専攻教授となった心理学者です。

「優れた錯視(最大の錯視効果を与えるもの)は美しい」を信条に、光や色、立体視、相対運動など心理学の研究成果を芸術的に表現しています。

 

誰でも、一度は見た事があるのではないでしょうか?

私は小学校の掲示板や中学校の図書館で見たのを覚えています。

 


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北岡明佳 蛇の回転

誰もが見た事のある、代表的な錯視ですが、これを考え出したのも北岡明佳氏。

いったいどうやってこの不思議な絵を思いついたのでしょうか?

 

回転を発見したのは偶然だった!

有名な蛇の渦巻きができたきっかけは、卯年に作った年賀状にありました。

別の錯視現象を利用した絵のつもりでしたが(中心の同心円が渦巻に見える)、偶然にも回転して見えることに気がついたのです。

2003年出版の「トリックアイズ2」にも載っている)

http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/Whyrotsnakescreated.pdf

 

また、色の順番も大事なようで、

黒→濃いグレー→真っ白→薄いグレーの順に色を分けた時、シンプルなグラデーションよりも回っていると感じます。

(錯視を体験するには、寝ぼけながら見る、近くの別のものを注視するなど、意識しすぎないようにしてみて下さい)

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(引用元:http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/PDrift.pdf

この錯視の効果を強めたのが有名な蛇の渦巻きとなったのです!

 

周辺視野と言って、焦点の合っていない部分の視界も重要だそうなので視点を動かしながら見てみてください。

関係あるのか分かりませんが、私は朝寝ぼけている時に見るといつもよりグルングルン回って見えました。

 

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北岡明佳 秋の沼

 

北岡明るい佳のオプティカルアートの数々は、作品集

2002年出版「トリック・アイズ」2005年出版「トリック・アイズ グラフィックス」等でも楽しむ事ができます。

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色の関係で、印刷と少し見え方が違うので、ぜひwebサイトも見てみてください!

 

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北岡明佳 サクラソウの畑

 

作品が体験できる場所!

錯視アートのマジシャン、北岡明佳氏は立命館大学の教授ですが、その立命館が今年、グランフロント大阪、ザ・ラボ内での展示を開始しました。

北岡明佳の研究成果も展示されていて、その場でふしぎな錯覚が体験できます!

 

※ザ・ラボ は参加企業や大学から体験型プログラムなどを展示するグランフロント大阪内の展示スペース。

 

実際に行ったことがあるのですが、ザ・ラボには北岡明佳氏、立命館の他にも沢山の最先端技術が体験でき、非常に興味深い遊び場でした!

 

 ザ・ラボの展示のようす

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引用元:http://www.ritsumei.ac.jp/news/detail/?id=2156

 

 

 アル・セッケル(2008] 錯視芸術の巨匠たち - 世界のだまし絵作家20人の 傑作集 p.147