四角であり丸である?!3次元のトリックアート作品 ギド・モレッティ

 

 

 

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[画像1] ギド・モレッティ 

Impossible Ring and Pillars

(直訳:不可能な輪っかと柱)

 

渦巻きと、渦巻が重なったような形と、三本の柱のような彫刻…

これ、全部違う彫刻に見えますよね?

 

なんとこの3枚、1つの作品を違う角度から撮った写真なのです!!!

 

あまりに常識を超えていて、これを見ただけでは信じられないのは、私だけではないはずです。

 

このような作品を制作しているのが、

ギド・モレッティ

という彫刻家。

 

不可能図形の父と呼ばれる、オスカー・ロイテルスバルド(Oscar Reutersvärd)の理論を参考に、

さまざまなイリュージョン(目の錯覚)の典型を組み合わせ、

なんとも不思議な彫刻作品を生み出します。

 

経歴

イタリア生まれのギド・モレッティ

大工の父の元、木材や漆喰に囲まれて

育ちました。

大学は工業大学を選んだ彼ですが、

科学を学んでいる時でも魅了されていたのは、

美しい分析幾何学の世界でした。

 

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[画像2] ギド:モレッティ 

Cube and Ambiguous

(直訳:立方体と曖昧)

 

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 [画像3] ギド・モレッティ

Tribute to Elio Barrozi

(直訳:エリオ・バロッツィへの賛辞)

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 [画像4] ギド・モレッティ

Tribute to Elio Barrozi

(直訳:エリオ・バロッツィへの賛辞)

画像1~4の引用元:

https://guidomoretti.it/works/?lang=en

 

卒業したけど他の大学へ?!

モレッティは工業大学で学んだ後、1967年からエンジニアリングを専攻しました。

 

その傍ら粘土での彫刻を作り始め、

更には物理学を学ぶ一方で、様々な美術家との交流も持ちました。

 

工業、物理、幾何学

さまざまな学問を究めた彼だからこそ作り出せたのが、この摩訶不思議な彫刻なのです。

 

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直線でできた、ただの立方体に見えますね。

 

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少し回転。

丸みを帯びてきました。シンプルな形と思いきや、内側はかなり入り組んでいますね。

この構造があのシンプルな箱型に見えていたとは驚きです。

 

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立方体はどこへやら、もう円にしか見えません!

右側に辛うじて四角が見える程度です。

 

さらに回転すると、きれいな円が現れました。

それだけでなく、なんと円の中にもう一つの立方体が…!

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立方体の骨組みが円になっただけでも凄い神業ですが、まさか三つ目の形態も見せてくれるとは…

ひとつの立体の中に共存しているとは思えない変わり様です。

 

上記の画像4枚は下の埋め込み動画

https://www.youtube.com/watch?v=fALxlebsZJU  のスクショでした。

立方体が球体になるというありえない現象が起こっていますが、

動画なら少しは納得できるかも?↓

 

www.youtube.com

 

以上、いくつもの図形を立体に閉じ込める天才彫刻家、ギド・モレッティの紹介でした!

他にも目の錯覚を利用するアーティストを紹介しているので、この記事を楽しんでいただけた方はぜひご覧ください!

pp.179-pp.180